「斉藤けさ江」

これまでただひらすら一生懸命、子供を育て、大家族の中で忍耐を強いられてきた日々を過ごしてきました。かつての日本の主婦がそうであったように、戦前、戦中、戦後を通して、自分の意志を表に出すことは出来ない時代でした。しかもけさ江さんは、70歳にして文字を知り、77歳の時にはじめて筆で字を書くよろこびを手にしました。決してうまく書こうというのではなく、畑を耕しながら、日々の出会いの言葉を真心で書くことを、毎日の楽しみとしています。